Masaya

【町の名前がMASAYAだから来た】


世の中にはぶっ飛んでて、アホで、さいこーに楽しい人がいるものだ。

この町にたったひとりの日本人との出会いの物語。


グラナダという名前の響きが好きな街に到着し、ネットを繋いだら

仲間の司くんから「グラナダというところで友達が日本食レストランやってる!」と

すんごいタイムリーなメッセージが来て、その人に連絡をとったらすぐに会えることになった。


パートナーのリックと一緒にこのグラナダでレストランを経営するまさやくん。


「日本人もほとんど来ないこの町になんで来ようと思ったん?」


まー普通はこう聞くだろう。ほんで大抵どんな返事が返ってきても僕はなるほどなーと

返すはずだったのに、ずっこけた。


 「いやさ。ぼく子どもの頃、辞書が好きで自分の名前を調べたらMASAYA:ニカラグアの都市ってあったんよね。

それで実は震災が起こったとき、ぼくはまさにレストランを仙台で開こうとしてたんだけど全部白紙になっちゃって。

それでせっかくだから世界をまわろうと思って、最初どこからいこうか。

簡単なとこじゃおもしろくないから、行ったこともないところにしたいなーって思ってたら、

昔調べたその自分の名前が付く町のことを思い出したんだ。」 


なんとMASAYAの町を訪れるためになんも知らないのに来たニカラグアで、

その隣町のグラナダが居心地がよく、せっかくだからとカフェでお手伝いの仕事をしていたら、

「このカフェもう売りに出そうと思うんだ」とフランス人のオーナーが言い出し、彼が買った。

そしてとりあえずはじめてみよう。物価の安いこの国なら失敗してもまだなんとかなる。

と結局念願だった自分の店をはじめたというのだ。


アホだ。アホすぎる。

その話を聞きながら、もうニヤニヤが止まらなかった。

そんな素敵なじんせーサイコーやん!

まあ2年くらいかなーとはじめたものが、結局6年も続けられているらしい。


この町たったひとりの日本人なので、彼が町をあるくとそこここから

「MASAYA!」と声がかかる。


顔も名前もサイコーに覚えやすい。だって隣町の名前だもんな。


彼と外を歩いたのだが、MASAYA!と声がかかる旅に彼はグラナダ!とかマナグア!

とか他の都市の名前をシャレで返すゲームを地元のにいちゃんねえちゃん達と楽しんでいた。


人生のものさしって何か知らんけど。

自分のそんなぶっ飛んだ人生と今の暮らしを楽しそうに語る彼の人生はきっとすばらしい。

聞いてるぼくがアホやなーって幸せな気持ちになるんだもの。


自分のものさしは、自分だ。