「まっすぐと真っ直ぐ」
グアテマラ旅も順調みたいに書いておきながら、
昨日は90数kmの道のりで3回パンクした。
しっかり日差しが出ていて、蒸し暑い。休憩できる売店までの感覚が長い。
そんなときに、タイヤの感触がおかしくなって、よろよろしながらブレーキをかける。
片足をついてタイヤを見る頃にはペシャンコだ。
最初の一回こそ針金を踏んでいたんだけれど、
あとの2回は尖ったものを踏んだのではない。
ホイールのタイヤ側についている、スポークを通すための穴。
この穴には本来リムテープと呼ばれる穴にチューブが入り込まないようにするための
粘着テープが貼ってあるのだけれど、何度も雨と泥のプールを味わってきた僕のホイールの
それはもう粘着力を失ってズレてしまっていた。
その穴に空気のパンパンに入ったチューブが入り込んで破けてプシュ~というわけ。
日本からのクレジットカードとともに届いた荷物に、リムテープも入っていたんだけれど
「新品のタイヤと同じタイミングで交換」なんて考えていたらこの始末。
そして、こうして避けたチューブの穴は大きく、パンク修理パッチを貼っても避け目が
広がってまたパンクしてしまう可能性が高い。こうなってしまうとチューブ自体がおじゃんになる。
仕方なく自転車を、道路脇の木の下まで押していって影でリムテープの交換作業。
やってしまえばものの10分もかからないのに。
こういう自分の性格をどうにかしたいんだけれど、そう思うだけでなんともしようとしていない。夏休みの宿題を最後までためてやっていた子が、前もってなんでもやったり準備できる大人には育つのだろうか。
1日3回もパンクすると。もうほんとに神経過敏になる。何気なく走っているようで、頭のセンサーが後ろタイヤの感触にずーっと反応している。あれ?またおかしいか?目視で確認するとしっかり空気が入っている。そんなのの繰り返し。これじゃ心臓がいくつあっても足りない。不安に心が満たされると、スペースがないのでせっかくの新しい国も景色もなかなか入って来なくなる。
フローレスという町の湖のほとりに建つ宿に着いた時には、ほっとため息。
これまでサボっていたお詫びもかねて、リムテープ貼り直し、チェーン交換、各部のメンテナンスを出発を遅らせてやってしまったら、思わぬ発見。
すこーしだけ曲がっているのを知っていながらほったらかしていたブレーキレバー。
真っ直ぐにしたら、なんだかスカッと気持ちが晴れた。
チェーン交換のおかげで、変速の時には小気味のよい音と感触が足に伝わる。
タイヤも、もう尖ったものを踏む以外にはパンクの心配もない。
作業にしてみれば1時間ちょいくらいのもので、手に入った気持ちはそのあともずっと続くもの。なんでも面倒くさがらず、いや面倒くさかったとしても、やることで新たに手に入る
ものがある。
泊まっている宿のベッドのシーツを毎日起きたらたたむ。
荷物を出しっぱなしにしない。
別に不具合はないんだけれど、目に見えるパーツをしっかり真っ直ぐに取り付ける。
精神面でのコントロールよりも、意外とこんな日々のルーティーンに組み込めるような
決まりごとを作ってしまったほうが案外自分みたいな性格にはしっくりくるのかも。
ブレーキレバーをまっすぐにしたら、気持ちが真っ直ぐになったというお話。
なんとなく自分の心のノートとして書き留めておこう。
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