グアテマラに入国した。
ここからは更に気を引き締めないといけないところ。
中米にここからどっぷりと浸かっていく感じだ。
旅行者の被害の話もちょくちょく聞こえてくる地域に入った。
すこーし不安がありつつも、ベリーズ国境から入国したグアテマラ。
街行く人々は、メキシコ人のように少し黒い肌をしているけれど、なんだか
すんごく人懐っこさを覚える顔が多い。
子どもが道路を走る僕を見つけて手を振ってくれたり、大人とすれ違うときでも
挨拶すればたいていは返してくれる。
僕を追い抜いていくバイクがニコッと振り返っていくこともある。
なんだかちょっと懐かしく、そして嬉しい。
自然はメキシコよりさらに色濃くなった。
大きく葉を広げる木には、モフモフの毛のような植物が枝を覆い、中には
サボテンのようなものがぶら下がっている木もある。朝や夕方には鳥たちの
さえずりや、ちょっとデカい警戒音を含むようなものも聞こえてきて、僕が
彼らの世界にお邪魔させてもらっているような気さえする。
山が多く、これまで平坦路が多かったメキシコ方面から来た僕には堪えるが、
これもだんだん慣れてくるだろう。道は変えようがない。それに対する僕の気持ちを
変えていくというかアジャストしていくだけだ。
なんだろう。確かに急いでいるんだけれど、この国のことをもっと知りたくなっている
自分がいる。今は心のままに流されるときだろうか。とにかく自分のなかから生まれてくる
気持ちをいまは大切に読み取っていきたいのが正直な気持ちだ。
旅することって移動することと重なるような言葉だけれど。
「旅」を「生きる」に置き換えたら、そんなに急がないでもいい気がしてくる。
最近ずっと旅について考えている。僕にとっての旅は生きることに近いんじゃないかって。
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