Hito

この国には1ヶ月でもぜーんぜん足りない、飽きないのをもう確信。

なんだかこの国の人たちに人間らしさを見せてもらい、自分までそのお裾分けをしてもらっているような、そんな気持ちでハバナの滞在を過ごした。

 

カンクンから一緒に飛んで来た、普段は多くを語らないけどしっかり考えている宮大工のけんたくんとは教育や国について熱く語った。

 

4歳の息子くんとの親子パッカー。息子ジョータローの好奇心と行動にはほんまに感動。一緒に自転車を組み立て、テントを立て、手を繋いで町をまわり、どこにいってもキューバの人たちに声をかけられ物怖じせずやりとりしていた。

 

キューバもう10年前から来ている通称ハバナ番長。強面な顔からは想像できない気遣いと、ホスピタリティ。自分の時間もあろうに、いつでも旅人にもっとキューバの良いところ見て帰ってもらいたいから、と一緒に外に出歩いていた。千秋さんありがとう。

 

世界一周保育士まなちゃん。中学時代から人生を切り開いてきた、かわいい見た目と違ってすんごい行動派。僕以上に言葉の壁なくスッと地元の人に馴染んでいく彼女は横で見ていて感心しきり。ハバナでお別れしてからの、わー!あとだけでも1日いたかったー!と寂しさとともにしばらく引きずっているのは小さな恋なのか!?

 

なんかほんまに人間らしくさせてもらった気がするし、そうしてまた出会う人々、旅人との時間が楽しくて仕方がない。もうキューバにありがとうだ。

 

 

さて、僕が滞在する3週間はこのカリブいち大きな島国をぐるっと回るには時間が足りない。今回は島の東部にあるキューバ第2の都市サンティアゴ・デ・クーバまでバスに自転車を積んで向かいそこから自転車でハバナを目指し横断することにした。

 

自転車仲間とやりとして、僕もカミオンと呼ばれる観光向きじゃないローカルバスで向かうことにした。夜行で16時間ほどの長旅だ。細かいことはわからんが、とりあえずバスがいっぱいになったら出発らしい。自転車でカミオン乗り場に向かった。

 

人がわんさかいるなかを、カミオン乗り場に向かったのだが、思わず自分の目を疑った。

え?これトラックやんか。

目の前に停まっているのは、おっきなトラックに座席のついた台を載せただけのような車。こんなんで1000km近く走るの?ほんでしかも夜行?そしてどう考えても自転車載せられそうなスペースがない・・・。おー!どうなる!僕の旅!

 

違うやつかと思って確かめたらやっぱりこれだった。腹をくくるしかないなこれは。

強面のトラックの運ちゃんもちょっと渋り顔なので、このままでは乗せてもらえない展開もあり得ると判断し、ソッコーで自転車のタイヤを外しちっさくなることをアピール。前後タイヤを外した自転車を担いでバスに乗り込んだ・・・あかん通路以外モノ置けへん・・・。

 

ヤベーぞこれはと思っていたら、強面おやじがおもむろに僕の自転車を持ち上げ、座席上の網棚に突っ込みはじめた!ガツン!ペダルが当たる。

おいペダル外せ!

はい兄貴!

みたいな感じでソッコーでペダルを外し、見事にフレームが網棚におさまった。

おい!次はタイヤだ!

はい兄貴!

とまたソッコーで対応してなんとか無事に荷物を乗せることができた。

すでに疲労感がハンパないが今夕方4時で、到着は明日の朝だ。

先がおもいやられる。。。

 

1時間ほどでバスはいっぱいになり、すんごい排気ガスとともに走りはじめた。

クーラーはないので窓全開。人はぎっしりで外国人僕ひとり。

荷物の管理もせないかんし、休憩のこともよくわからんし、いやー緊張しっぱなし。

夜中12時回ったくらいから意識が飛びはじめて、次に目が開いた時には、もう夜明けごろで

終点までのあいだのバス停で人が降りはじめていた。

 

空が明るみはじめた頃にやっと到着したサンティアゴ・デ・クーバ。

だだっ広い広場のようなところで降ろされ、しばらく強面運ちゃんと話をして、彼も仕事を納めにどこかに向かった。

さあ、この町はどんなとこだろう。ほんでこっから自転車旅がはじまる。