「まぁ！いい写真！」
と思って「続きを読む」を押してもらったことだろう。
この写真を撮っている僕は半ば絶望していた・・・。
一体この先どうなってしまうんやと・・・。
旅にトラブルはつきものだ。
むしろ、うまくいくばっかりの旅は見ている方も、やっている方も面白くない。
だからちょっとくらいトラブルあってもいいかな、くらいの気持ちではいる。
この日の朝。目的地に向かうルートを考え地図とにらめっこしていた。
「ふつーの国道なんておもしろくないから、こっちのマイナールートにしよう！」
どんな1日になるのかワクワクしながら走り始めた。
町を離れると一気に道はダート（未舗装路）に。車なんてほとんど通らず、地元のバイクと
時々すれ違うくらい。みんなちょっとびっくりした感じでコッチを見て、手を振ってくれる。
おお！旅らしくなってきた！
ここは年中風があるのだろう。風車のすぐそばを通り過ぎたり。
きっと観光客なんて立ち寄ったこともないだろう小さな漁村に立ち寄ったり、
まわりが一面マンゴー畑の道を走って、あー食いてー！となってみたり。
橋があるはずのところには、橋がない！まさかの渡し船！サイコーや！
なんて旅らしいのだろう。今日のブログは文章も写真も奮発やな！
あとはもうこの先の町にたどり着いたらゴールや！なんて目的地の町に向かう
線路沿いの道路に入っていった。
いまになれば。いまになればやけどね。いっぱい布石があったと思う。
線路沿いに入るときに、地元のおばちゃんにじーっと見つめられていた。
線路沿いに入ってから車やバイクが全く通らなくなった。すれ違うのはトラクター。
それでもやで！農場いっぱいあったらトラクターが当たり前やんか！
けどなんかトラクターのおっちゃんたちがしきりに「どこいくんや！」って
感じで僕に言うてたわ。
不安なんてほとんどなしに、走っていたらだんだんジメジメしてきた。
ダートがぬかるみ始めて、時々ドロの池が登場した。
よーし！ここを抜けてこそ！旅や！冒険や！
と走っていたらついに目の前にドロのプールがあらわれた。あかん逃げようがない。
しょうがなくスネぐらいまでドロに浸かりながら自転車を押した。
そうしたら今度はもっとでかいヤツがあらわれた。あかん・・・これはもう湖や。
試しに入って見たらヒザ上まであった・・・。自転車担いでなんとか渡った。
そのあとはもう思い出したくもない。
線路が陸橋みたいになっているところはもう濁流やった。あわてて線路の上に避難して
通り抜けた。そしたらまたプールがある。
何十個ドロの池を歩いて渡ったろうか。もうヤケクソやった。
すれ違うトラクターは乗せてやる！としきりに言うのに、僕がダイジョブ！
言うから笑われた。変なヤツやと思われただろう。
けどここで乗せてもらったら、もう一生帰ってこーへんやん。
だから自分の足で先に進めるうちはなんとしてでも進まないかん。
けど気持ちはもう最悪やで。なんでこんなルートを選んだのか。
あそこで引き返すべきやったか。もういやや。
そんないろんな気持ちがいっしょこたにやって来ながら自転車を押した。
町に着いても情けない姿や。僕だけが泥だらけ。笑われる。
はっきり言って、充実感とか無い。達成感もない。
だって地元の人なんかみんな知ってるやろうリスクやから。しかも回避できるやつ。
これがサイクリストがみんなして言う峠とか、難しいルートやったら
きっと充実感で満たされているやろう。
けど旅ってきっとこんなもん。人生にも当てはまると思う。
思ってもみないところに壁があって、ほんで人に誇れるもんでもなんでもなくて、
ひとりもがき苦しむ。ほんで終わった後には徒労感だけが残る。あと後悔と。
ほんとに大変なことって、こんな誰にも賞賛されん、誰にも見られてへんところで
さあどうするみたいなやつかもしれへんな。
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ともほ (金曜日, 21 7月 2017 22:15)
いやー、すばらしい旅ですね（笑）
旅と人生って同類項なんですね、きっと。
色んな書籍で人生について語られているけど、「なんでそのタイミングで、そんな選択するんだよ」という人、結構いるように思います。西川さんの自転車旅のイベントを見ていると、「ああ、まさに人生と同じ。多少思い付きで動いて、あとで後悔するぐらいのイベントがないと、旅（人生）が終わるとき面白みがなかったと思うかもしれないな」と思います。
羽目を外して命を落としたらダメですけど、パスタに多めのタバスコかけるぐらいのスパイスが効いた旅の方が、きっと楽しいのに違いありません。
西川さんの旅がより楽しいものになりますように（合掌）
Masa (土曜日, 22 7月 2017 16:19)
ともほさんコメントありがとうございました。
そうですね、みなさんそれぞれに受け止め方や、受け入れ方ってあると思います。
僕は一番最近のおばあちゃんの記事でも書きましたが、同じようなことを周りから見たらしているようでも、
その日その日を丁寧に生きることって本当に素晴らしいことだなと思います。
もちろんひとりで人生は生きれるものでもないですが、自分がどのように考え、決め、行動するかは
時にはまわりの評価や反応以上に大切なものになるようにも思います。